己の得意で勝負せよ。筋肉をフル活用して2年連続Google Cloud Partner Top Engineerに選出されたので、再現性の低いコツを紹介します。
結論
Google Cloud Partner Top Engineer(PTE)を2年連続で受賞しました。
1年目は筋肉とGoogle Cloudをゴリ押しして選出されました。2年目は筋肉とGoogle Cloudのゴリ押しをさらにブラッシュアップして、かつ1年目に培った経験をプラスαして、受賞しました。
つまり、自分にしかできないアピールをし続けた結果、受賞に至りました。タイトルにある「再現性の低い」とは、自分にしかできない過去の経験(筋トレ)を活かしたという意味であり、この枠組み自体は誰でも転用できる方法です。
私の経歴
私の学生時代は運動に全振りで、社会人になってもパーソナルトレーナーとして3, 4年ほど活動していたため、ITのバックグラウンドのかけらもありませんでした。
20代前半で、自身でジムを経営しておりましたが、コロナにぶち当たり閉業しました。そこから私のエンジニア人生のスタートです。
1社目のSESを経て、クラスメソッドに入社してから初めてGoogle Cloudを知ることになります。つまり、最初の受賞はGoogle Cloud未経験から1年で達成しています。
今回はこの未経験から2度受賞した事実にもとづいて、PTEに選ばれるコツを紹介していきます。
受賞のコツ
Google Cloud Partner Top Engineer(PTE)を理解する
まずはPTEの評価基準を理解し、1年間の受賞戦略を策定します。以下のようにPTEとは何か?ということを審査基準をもとに自分でまとめました。要件を1つづクリアしていけば、受賞に近づきます。
- 資格要件:Google Cloud プロフェッショナル認定資格の取得数(全認定資格取得で加点)
- 技術普及活動:技術記事の執筆、コミュニティ活動、勉強会での登壇実績
- プロジェクト実績:大規模案件への貢献、ソリューション開発、Specialization/Expertise取得
- GenAI スキル:指定された3つのSkill Badge取得(今年から追加)
今回のブログでは、スキル要件、プロジェクト実績については触れず、技術普及活動と資格試要件についてのコツをお話ししていきます。ただし、技術普及活動がうまくできれば、その他のPTE要件に対しても効果的に働きます。
技術普及活動
Dev.IO(ブログ執筆)
弊社のDev.IOは社内外での認知向上にとても有効です。さらにDev.IOは、エンジニア全員が自身の裁量でブログをいつでも書ける、という文化のため自分の色を反映したブログを執筆することができます。
私は筋肉とGoogle Cloudにフォーカスしたブログをアップしています。ポイントとしてはITと筋肉ではなく、Google Cloudと筋肉というサービスに特化した個別アプローチです。
これにより社内外の認知向上に繋がり、Google Cloud周りの話が自然と増えてきます。社内では、他部署からイベント登壇への声がかかったり、社内での質問にGoogle Cloudといったら筋肉室井ということで、技術的な相談が来たり。
社外でもイベント参加時に、お客様や他のパートナー企業のエンジニアさんから、筋肉関係でお話しをいただいたりします。
自分が何者なのかのアピールに筋肉を利用したことで、覚えてもらいやすい、さらに話しかけてもらいやすい環境を作ることができます。
【過去の筋肉を利用したブログ】
- 俺の大胸筋が THE BigQuery
- 俺の大腿四頭筋は Google Cloud グローバルロードバランサー
- ブログ歴1年でGoogle Tech Blog Challengeを受賞したので、その筋肉的なマインドを共有します
さらにGoogle Cloudさんが行っているテクニカル ブログ チャレンジなどにも応募でき、別の表彰が期待できます。
このテクニカル ブログ チャレンジを受賞すれば、PTEの加点要素にもつながるので、一石二鳥。1番お伝えしたい事は「PTE受賞に向けて、評価基準を理解し、自身の状況に応じた戦略を立てる」ということです。
ブログの割合的には、技術ブログ9割、筋肉×Google Cloud1割ほどの比率です。ユーザーさんに飽きさせないかつ、たまに出るわけわからん筋肉記事はとても魅力的に映ります。
イベント登壇
こちらも基本的にはブログと同じで、自分の色(私は筋肉)を武器に、1割~2割ほど得意分野(私は筋肉)を登壇内容に盛り込みましょう。ただし、そのイベントの内容と空気によります。完全な技術イベントで、かつシリアスな会場であれば、おふざけと捉えられるような内容は控えたほうがいいです。
登壇の中にも自分なりの楽しみを見つけておくと、登壇に対して前向きになれます。1回、2回、3回と重ねるうちに自分の色の出し方もわかってきて、本当に楽しくなります。年に10回も登壇すれば、PTEの受賞にもグッと近づきます。(回数に根拠はないが自分がそのくらい)
【過去の筋肉を利用した登壇】
- 【登壇】心のケアには運動!コミュケーション能力には運動!企業クラウドにはGoogle Cloud!Muscle is a Better Choice! #devio2024
- Google Cloud Next ’24 Recap 技術と筋肉を融合したセッションで登壇してきました!(in 日比谷オフィス)
- 「筋トレとGoogle Cloudしてますか?」と挨拶してTech Blog Challengeの授賞式を少しだけ沸かせてきました
ただ、個人的な見解としては、どの場面でもほど良いお笑いは受け入れられると思っています。ただのおふざけではなく、根拠のある、そして真剣な笑いを含ませることで、お客様にも理解いただくことができます。
私の場合、登壇時に筋肉と健康の話を盛り込みますが、これには笑い以外にもメリットがあります。それは自分の土俵に持っていけるということ。緊張しやすい方にはさらに効果的だと思います。
緊張を和らげるようなスライドや話を盛り込むことで、自分のリズムを保つことができます。序盤で焦って登壇内容を忘れたとしても、途中の筋肉スライドで自分のリズムを立て直すことができます。
しっかりと目的を持った自分の武器を登壇に盛り込み、登壇時のキャラの確立と安定性を確保させましょう。そして登壇を重ねてPTEの受賞に近づきましょう。
資格試要件
ここでは、資格取得のコツというよりも、私なりの取得モチベーションを共有します。
まずは、資格を取る優先度を上げなくてはいけません。少し話のベクトルがずれますが、私はクラウドの資格取得をキャリア形成の武器にしてきました。初めてIT業界に参入したSES時代では、IT未経験からでAzureの資格を10つほど取得し、転職に活かしました。
また、Google Cloudの資格は11個存在し(2024/12/02時点)、データ系、アプリ系、機械学習系、アーキテクト系と種類により分野が分かれています。
11つ全取得(全冠)することで、Google Cloud全体を知識的に網羅することが可能で、かつ資格を取得するという事実は、給与アップや転職などのキャリア形成にも有効です。
ここでお伝えしたいことは、PTEを目指すために全冠をするが、それ以外のメリットも大きく付随してくるということです。ここを理解できていると資格取得に対する意識も違ってくるはずです。
私の勉強方法は、Udemyや書籍を利用して「暗記 → アウトプット(問題解くorブログにする)」を繰り返すのみです。資格取得だけが目的であれば、暗記をしてすぐに受験するといった方法も考えられますが、有効期限が2年なのでアウトプットをした方が次の更新時にも案外覚えられているので、おすすめです。
とりあえずやってみる
クラスメソッドが大事にしているマインドです。
登壇やブログで自分の色を出すことは、必ずしも簡単なことではありません。恥ずかしかったり、怒られたりするのではないかと心配する気持ちも十分わかります。
なので、私のやり方は、とりあえずやってみて注意されたら改善してまたやってみる。それでも注意されたら、さらに改善してやってみる。一文でお伝えすると「ビビらず、トライ&エラーを繰り返す」です。
もちろん、何かを批判するブログ内容やインシデントに繋がるような作業についてはこの限りではありませんが、常識の範囲内でなりふり構わず突っ走る姿勢は大事だと思います。
「それが出来ないんだよー!」という声も聞こえてきそうですが、そんな時は、自分の鍛え抜かれたボディを信じましょう。全てのネガティブ要素を跳ね返す大胸筋があれば何の問題もありません。
また、これは資格取得にも言えることで、勉強のインプットが不安な場合でも、模擬試験などで8~9割取れていれば受験しましょう。Google Cloud資格は11個もあり、2年ごとに更新なので、せっかく勉強したのに先延ばしにしてしまうと、資格全冠前に更新が来てしまうこともあります。
最後に、私が感じるクラウドの試験問題の特徴としては、6割は技術的な基礎知識、4割は国語の文章問題だと思っています。そのサービス(BigQueryやCloud Spannerなど)のベストプラクティスを暗記/理解した上で、あまりインプットに時間をかけずに挑戦しましょう。
結局は...
「全て真剣にやる」これに尽きると思います。私は筋トレとGoogle Cloudをかけわせたアプローチを採用していますが、これも7, 8年以上の筋トレ経験があってこそ、長年本気でやってきた事実があるから仕事で使えるのです。
あとは、ビビらずやってみることで道を切り開きましょう!!
まとめ
筋トレもITも1日してならず。何なら3年やっても全然足りない...。